福井県歯科医学大会2022・第29回福井県歯科保健大会

会長挨拶

「第29回福井県歯科保健大会」および「2022福井県歯科医学大会」を、本年は福井県歯科医師会館にて開催するはこびとなりました。一般公開講座には東京都 ふれあい歯科ごとう 代表 五島朋幸先生をお招きし、「死ぬまで噛んで食べる~ 最期まで口から食べられる街づくり~」と題してご講演いただきます。福井県歯科口腔外科フォーラムでは福井大学医学部附属病院歯科口腔外科の松田慎平先生の「福井大学歯科口腔外科での私の取り組み 〜臨床・研究・教育・運営〜」の講演会を、また福井県歯科技工士会主管で(医)健志会 ミナミ歯科クリニック主任歯科技工士 藤本光治先生による『補綴修復治療における歯科技工士の役割』〜デンティスト・テクニシャンの連携の重要性〜の講演会が開催されます。

高齢化社会の中で、在宅医療や介護の必要性がこれまで以上に求められております。福井県歯科医師会ではその支援拠点として福井県在宅口腔ケア応援センターを開設し歯科訪問診療やオーラルフレイル対策等の事業を行っています。口腔ケアの重要性を今後より一層の広め、口腔機能管理(口腔ケア)をとおして、県民の皆様の健康維持増進に寄与できますように、今後とも努力して参りますので、ご理解ご協力の程よろしくお願い申し上げます。

最後になりましたが、本大会を開催するにあたり、多くの皆様と関係諸機関にご尽力賜りましたこと、心より感謝申し上げます。

一般社団法人 福井県歯科医師会
会長 山本有一郎

一般公開講座

9:30~11:30

死ぬまで噛んで食べる
〜最期まで口から食べられる街づくり〜

東京都ふれあい歯科ごとう
代表五島 朋幸先生

歯科の役割は「口腔環境を整え、口腔機能を維持向上させること」である。一般的な歯科治療は口腔環境を整えることであり、それによって口腔機能を維持向上させることを目標としている。中でも、訪問歯科については、食べる機能の維持向上が目標となる。

口腔ケアとは口の環境を整えるだけでなく、食べる機能をも向上させることである。だからこそ食べるために口腔ケアが必要となる。そして最高の口腔ケアとは何だろうか。それは…。

われわれは東京都新宿区で地域食支援活動を目的として2009年に新宿食支援研究会を発会した。活動するにあたり、食支援の定義を作成した。「本人、家族に口から食べたいという希望がある、もしくは身体的に栄養ケアの必要がある人に対し、適切な栄養管理、経口摂取の維持、食を楽しんでもらうことを目的として、リスクマネジメントの視点を持ち、適切な支援を行うこと」。現在は23職種、160名が在籍する。

地域で口から食べることに問題のある人は在宅高齢者の約16%と推測される。新宿区内で換算すると1万人以上になる。これだけの対象者に対し、専門職のケアだけではケアはできないことは明白である。

では、どのように専門職と市民が「食べられる街づくり」を行うのか。市民、専門職も含めて、何か食に異常があればそれを見つける人(M)、適切な人につなぐ人(T)、そして結果を出す人(K)を地域に無限に作ることである。さらに、専門職は社会教育として食の大切さを社会に広めていくこと(H)が求められる。「見つける、つなぐ、結果を出す、そして広める」(MTK&H®)こそが最期まで口から食べられる街づくりである。

プロフィール

1991年
日本歯科大学歯学部卒
1993年
日本歯科大学歯学部
歯科補綴学教室第1講座助手
1997年
訪問歯科診療に取り組み始める
2003年
ふれあい歯科ごとう代表
博士(歯学)

1997年よりラジオ番組「ドクターごとうの熱血訪問クリニック」(全国13局で放送)パーソナリティーを務める。2017年より「ドクターごとうの食べるlabo~たべらぼ~」(FM調布)パーソナリティーを務める。


〈著書〉
「死ぬまで噛んで食べる 誤嚥性肺炎を防ぐ12の鉄則」(光文社新書)
「訪問歯科ドクターごとう1: 歯医者が家にやって来る!?」(大隅書店)
「口腔ケア○と×」(中央法規)
「愛は自転車に乗って 歯医者とスルメと情熱と」(大隅書店)
「食べること生きること ~介護予防と口腔ケア~」(北隆館)(監修・著)
「誤嚥性肺炎予防のための口腔ケアと腸管免疫の重要性」(オーラルケア) など

令和4年度コンクール受賞者

高齢者よい歯のコンクール

満80歳以上で自分の歯が20本以上残っている方

知事賞
松田眞扶 様

福井県歯科医師会会長賞
長谷川あい子 様
髙島弥一 様・髙島芙美枝 様 ご夫妻

公益財団法人8020推進財団理事長賞
山田利男 様
山田友惠 様
仁保つや子 様
森本妙子 様
森内美子 様
寺尾 勤 様
杉山好範 様
林 紀子 様
杉本トシエ 様
滝本武男 様

健康な歯づくりに関する
おえかき・図画・ポスターコンクール

知事賞
(おえかき)

鹿谷保育園 5歳児
やまうち さくたろう さん

知事賞
(図画・ポスター)

坂井市立高椋小学校 4年
松田 紬希 さん

福井県教育委員会賞
(おえかき)

大島認定こども園 5歳児
かわかみ ひろき さん

福井県教育委員会賞
(図画・ポスター)

坂井市立三国西小学校 6年
大権 智沙 さん

福井県歯科医師会会長賞
(おえかき)

新田塚幼稚園 4歳児
まつばら きっぺい さん

福井県歯科医師会会長賞
(図画・ポスター)

鯖江市鯖江東小学校 1年
村中 希保 さん

日本学校歯科医会賞
(低学年)

鯖江市鯖江東小学校 1年
内木 亮輔

日本学校歯科医会賞
(高学年)

勝山市立鹿谷小学校 4年
佐野 幸音 さん

歯科保健優秀指導者

永年にわたる口腔衛生の普及、向上への功績が認められた

福井市長橋小学校
養護教諭 北嶋このみ 様

歯科保健優良企業

歯科保健事業を理解し、口腔衛生管理に尽力している

片山機械株式会社

県よい歯の健康づくり推進学校

知事賞
池田町立池田中学校

福井県教育委員会賞
越前市武生第六中学校

福井県歯科医師会賞
越前市坂口小学校
大野市阪谷小学校

福井県学校保健会賞
越前市国高小学校

福井新聞社賞
池田町立池田小学校

歯みがき名人優秀活動

最優秀賞
敦賀市立東浦小中学校

優秀賞
敦賀市立東浦小中学校
若狭町立熊川小学校
越前町立織田小学校
坂井市立平章小学校

<主催>

福井県・(一社)福井県歯科医師会・福井県学校保健会・福井新聞社

<後援>

福井県教育委員会・福井県市町教育委員会連絡協議会・(一社)福井県歯科衛生士会・(一社)福井県歯科技工士会
(福)福井県社会福祉協議会・(公社)福井県栄養士会・福井県PTA連合会・(一財)福井県老人クラブ連合会
(一社)福井県身体障害者福祉連合会・福井県心身障害児者福祉団体連合会・福井県食生活改善推進員連絡協議会

福井県歯科口腔外科フォーラム
後援:福井大学医学部 歯科口腔外科

13:00〜14:00

福井大学医学部歯科口腔外科での私の取り組み
〜臨床・研究・教育・運営〜

福井大学学術研究院医学系部門(附属病院部)歯科口腔外科学
松田 慎平先生

今回は、2019年以来の福井県歯科医学大会にて、講演の機会をお与えいただき誠にありがとうございます。

私が福井大学に赴任して10年が経過いたしました。この10年間では、佐野前教授、吉村教授のもとで口腔外科の臨床と研究を学び、医学生や歯科臨床研修医の教育、および、病院・診療科の運営に携わってまいりました。また、福井県下の様々な先生方より多くを教わり、時には厳しくご指導をいただくこともございました。本講演におきましては、それらの経験を踏まえ発表させていただきたいと考えております。今回は、近年大きな社会問題となっている感染症の問題も取り上げ、歯科的側面からの分析結果もお伝えできればと思います。

久しぶりに、福井県歯科医師会会員の先生方とお会いできることを楽しみにしております。本講演は対面での開催となりますため、発表に際しましては、忌憚のないご意見、ご感想をいただければ幸甚に存じます。何卒よろしくお願い申し上げます。

講演会
主管:(一社)福井県歯科技工士会

12:00〜14:00

補綴修復治療における歯科技工士の役割
〜デンティスト・テクニシャンの連携の重要性〜

(医)健志会 ミナミ歯科クリニック
主任歯科技工士藤本 光治先生

補綴治療を成功に導く上で歯科技工士にとっても不可欠なことは、治療ゴールのイメージを歯科医師と共有することです。我々、歯科技工士は補綴チームの一員として審美的調和のみならず機能的調和・生物学的調和をトータルで達成すべく技術的研鑽と知識の修得につとめ補綴治療の成功に貢献しなければなりません。

今後、歯科医療界にますますデジタルテクノロジーの進化、発展によりさらにその波は加速すると思われますが歯科治療の本質は変わりません。そしてそのような時代になればなるほど『物作り』ではなく補綴治療の目的・概念を理解し歯科技工をおこなうことが大切です。本講演ではデジタルへの対応も含め、歯科技工士としてどのように学びどのように考えれば補綴治療を成功に導くための役割を果たせるのか?をテーマに“実践的”に知識と技術を臨床に落とし込み歯科医師とのコラボレーションのもと治療結果に反映した症例を通して皆様に臨床体感をしていただき皆様の明日の臨床の一助となれば幸いに思います。

− Contents −

  1. 補綴修復治療を成功に導くための臨床的基準
    Clinical Guidelines for Restorative treatment
  2. プロビジョナルレストレーションをどう使うか?何を診るか?
    Provisional Restoration & Labo Communication
  3. 複雑なケースにおける診断用ワックスアップの具備すべき要件と組み立て方
    Diagnosis Wax up & Labo Communication

<主催>

(一社)福井県歯科医師会

<協力 >

福井大学医学部歯科口腔外科 ・ (一社)福井県歯科技工士会
(一社)福井県歯科衛生士会 ・ 北陸歯科用品商協同組合福井県支部

<後援>

福井新聞社 ・ 福井テレビ