福井県警察歯科医師会

本会は、福井県警察の諸活動に対し歯科医学的協力援助を行うことともに法歯学の 研鑽を図ることを目的としています。

本会は以下の事業を行っております。
(1)死体の身元確認、及び操作活動の協力に関すること
(2)法歯学知識の研鎧、普及及び高揚に関すること

昭和60年8月12日、乗員、乗客524名を乗せた日航ジャンボ機が、群馬県御巣鷹山中に墜落炎上し、 空前の520名の尊い命が失われました。奇跡的に4名の生存者が救出されましたが、現場は凄惨を極め、 ご遺体の損傷も又想像を絶するものでした。群馬県はもとより、関東一円から駆け付けた歯科医 や法歯学関係者達が、一刻も早くご遺体をお返しすべく、夜を日についでの身元確認作業に 奔走する姿に深い感銘を受けました。
520名のご遺体のうち実に518名の身元が確認され、そのうち40%以上の233名は歯科的所見が大いに 役立ったと言われています。平素、私達も地元警察署の要請で身元確認に出向いておりますが、 こんなに大きくクローズアップされたのは初めてのことで、世間の認識も少しは好転したのではと 感謝しております。
御巣鷹の大惨事から3年目の昭和63年4月28日、福井県にも大規模災害や事故に備えて、之に対処 出来る組織を、と言う機運が昂まり、福井県警察歯科協力会が創設され、34名の有志が入会して スタートを切りました。
平成4年に福井県警察歯科医会と名称を改め、現在に至っております。平成に入って、名古屋空港 の中華航空墜落事故、阪神・淡路大震災、新潟県中越地震、JR知山線脱線事故等々、大規模な 事故や災害が多発しています。又凶悪犯罪の増加と自殺の増加は止まるところを知りませんが、 本会発足以来、警察歯科医の職務として、私たちは、不慮の事故や突発的災害に遭遇された 方々を、家族や愛する人々の元にすみやかに戻してあげる。故人の失われた尊厳と人権を 戻してあげると言う役割を果たしてきました。
身元確認の手段として、口腔内所見が有効であり、その事で警察活動に協力する事は当然であり、 大規模災害時・大規模事故時の緊急歯科医療も含めた対応についても協力していきたいと 考えています。